。+゚失恋メランコリ。+゚
 


 一方的に切られた電話。


 私は、恋人に、フラれてしまった。


「別れてくれないか?」という恋人からのクエスチョンに、一切アンサーする事もなく。




 左手に握られたままの携帯電話を、どうしたらいいのかすら分からない。


 手の平から零れた浩二とお揃いのストラップが、私を慰めるようにキラキラと揺れている。




 身体に馴染み柔らかさを増した革のソファーに深く腰掛けても、混乱した心と頭が落ち着く事はなくて、

目を閉じても、目を開いても、何をしても冷静になんてなれなくて――。


 私は髪をぐしゃぐしゃと掻きむしり、自分の頭に自らの拳を叩き付け、たった今この身に起きた“現実”と無理矢理に向き合うように仕向ける。





.
< 4 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop