先生
先生は私の口からそんな言葉が出るとは思って無かったみたいで、驚いた顔をしていたけど

「ありがとう」

って言ってくれた。


先生はギアをドライブに入れると、車をゆっくり発進させた。

「先生、どこ行くの?」

そう言った私に、

「どこが良い?」

って逆に聞いてくる先生。


『先生と行くならどこでも嬉しいよ』


なんて言える訳も無く、ただ『うーん』と迷っている私。


「じゃあ、お任せだな?」


そう言うと、クルッとUターンをした。

どこに行くんだろう?

「どこに行くの?」

そう聞く私に、ニヤリと笑いながら


「内緒」


って…先生の意地悪!!


私は膨れっ面で先生を見た。
そんな私を、笑いながら見ているんだもん。

きっと、からかわれてるんだ。


それでも先生が好き。


そんな私の膨れたほっぺたを触り、キュッと押す先生。



―――ドキン



ヤバいから!!


先生に触れられた部分は、どんどん熱を持っていく。

やがて、真っ赤な私の完成。

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