先生

「そんな顔するなよ。可愛い洋服が台無しだぞ」


赤くなる私を、知ってか知らずか甘い言葉を発する先生。

私をキュン死させるのが目的ですか?


それより先生、気づいてくれていたんだね。

私が頑張って来た事……


きっと、
新しいワンピースも
朝からした巻き髪も
薄くした化粧も
全部気づいてくれてるんだ。


隠し事出来ないね。


何も言えずに笑うのが精一杯の私。


「それより、新庄。今日は俺は先生じゃないぞ」


そんな事を言い出す先生。

びっくりして


「へっ??」


って目をまん丸くして聞いた。

先生は驚いた顔の私を見ると、又笑いながら


「新庄、面白すぎ!!」


そう言ってくる先生。

「なっ…!!じゃあ、何て呼べば良いの?」

先生は、少し考えた後


「好きに呼んでくれ」


って言った。

先生の顔が少し赤くなった気がしたのは、気のせいかな?

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