先生

「祐輔、久々だな。元気か?
手紙もらってずっと気になっていたんだけど、忙しくてな。やっと来れたよ」

2人は久々の再開らしく、かなり盛り上がっていた。

今まで見た事が無い笑顔をする先生を、ポカンと見上げていた。


「それにしても、今日はデートか?」


急に自分に振られてびっくりする。


し…しかもデートだなんて…


「教え子だよ」


そう先生はサラッと言ったね。



―――チクン



胸が痛くなる。



そうだよ、私は生徒。



「俺の誕生日を祝ってくれるんだよ」


嬉しそうに話す先生。


「お前、今日誕生日だっけ」


そんな顔されたら、諦められなくなるよ。。。


そんな凹み気味な私の頭に手を乗せて


「なっ、うさぎは居なかっただろ」


ってウインクした先生。


「うさぎ?」


不思議がる祐輔さんに、私は真っ赤な顔のまま


「な…なんでもない…です!!」


って動揺し過ぎだね。


2人は顔を見合わせて笑っていた。

「毎日こんなに可愛い子に囲まれてるなんて、真咲はズルいな」

そう言うと、私達を窓際に案内してくれたんだ。

< 114 / 444 >

この作品をシェア

pagetop