先生
先生は背が高いから、私をスッポリと包み込んでいた。

私は先生の胸の中で頷いてから、顔を見上げた。

今まで見た事が無い顔をした先生だった。

何だか初めてこんなに近くで見たかも。
確かに、整った顔をしている。

クラスの子が、キャーキャー言う気持ちが分かるよ。


何だか恥ずかしくなって先生から離れた。

こんなに近いと、何も思って無くても意識しちゃうよ。



―――ドキドキドキドキ




止まらない、鼓動。

早く治まって!!って思って居たら、


「新庄、ボーっとしてないで手伝え」


って声が。


何だか、ドキドキした私がバカみたいじゃない?

止まらない鼓動を悟られない様にわざと


「やりますってば!!」


ってぶっきらぼうに答えた私。
だって、何だか恥ずかしいんだもん。


急いでプリントをまとめて作業再開した。
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