先生
真咲先生の気持ち―1―
「さぶっ」
外に出て思わず出た言葉。
天気予報で言っていた通り、かなり冷え込んでいる。
きっと雪が降るんであろうなって…思わせる灰色の雲が空を覆っていた。
―――雪―――
昨日の夜を思い出す。
昨夜も雪が降っていた。
――俺の誕生日
まさか教え子と過ごすとは思わなかったな。
口からは、ふっと笑みがこぼれる。
車に乗り込みエンジンをかけた。
冬休みに出勤するとは、俺もついてないよな。
車が温まるのを待ちながら、心の中で愚痴っていた。
昨日の事を思い出しながら、複雑な気持ちになる。
暖房が効いてきて、曇ってくる窓。
ふと、横を見た時それは目に入った。
マジかよ……
俺はそれから目が離せなかった。