先生

思えば、誕生日を女性と一緒に過ごしたのも、温かい気持ちになったのも久しぶりだったかもしれない。


俺は、高校生の頃に付き合っていた人が居た。



――篠田 咲代《しのだ さきよ》


俺と親友の佐多 祐輔と篠田は、毎日と言って良いほどつるんでいた。

篠田を好きになるのに、そう時間はかからなかった。

俺は篠田のクールで面白い所に惹かれたんだ。


やがて、篠田と俺は付き合い始めた。


今思うと初々しい恋愛だったかもしれないな。

でも、あの時の俺達にとっては大恋愛だったんだ。



そう、あの日までは……



俺達は大学がバラバラになって、生活のリズムが変わった。

それでも一生懸命時間を作って会いに行っていたんだ。


しかし、今までみたいに会えない事が寂しかったんだろう。



浮気をしていたんだ。



俺の親友の祐輔と……


< 127 / 444 >

この作品をシェア

pagetop