先生
思えば、誕生日を女性と一緒に過ごしたのも、温かい気持ちになったのも久しぶりだったかもしれない。
俺は、高校生の頃に付き合っていた人が居た。
――篠田 咲代《しのだ さきよ》
俺と親友の佐多 祐輔と篠田は、毎日と言って良いほどつるんでいた。
篠田を好きになるのに、そう時間はかからなかった。
俺は篠田のクールで面白い所に惹かれたんだ。
やがて、篠田と俺は付き合い始めた。
今思うと初々しい恋愛だったかもしれないな。
でも、あの時の俺達にとっては大恋愛だったんだ。
そう、あの日までは……
俺達は大学がバラバラになって、生活のリズムが変わった。
それでも一生懸命時間を作って会いに行っていたんだ。
しかし、今までみたいに会えない事が寂しかったんだろう。
浮気をしていたんだ。
俺の親友の祐輔と……