先生

俺らは外に出た。

帰り際に祐輔が言っていた

【すんげー場所】

に行ってみる事にした。


少し細い道を歩いて出た先は、ものすごいキレイな夜景スポットだった。

確かにすんげー場所だな。

まぁ、それもすごいけどそれに加えて雪が降ってきたんだ。


最近読んだ本に書いてあった事を、空を見上げている新庄に話してみた。

そしたら、何て言ったと思う?


『みんなが【ありがとう】って思ったら良いね』


だとさ。


抱きしめてしまいそうになる衝動を抑えるので精一杯だったよ。

勿論、理性で止めた。

新庄にとって俺は先生であり父親的な存在なんだ。

そんな事、出来るはずがない。



優しい子なんだ。



優し過ぎるんだ。



さっきだって、生徒に会ってしまった時にどこかで居なくなるのを待っててくれたんだろう。

冷めたお茶に心が痛かった。

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