先生

「セーフ!!!」


私は勢い良く校門を駆け抜けた。


ヤバい、後10分しかないじゃん。


その時、黒い車が目に入った。

走っているのに、一瞬時間が止まったみたいにはっきり見える。



また……乗れるのかな…?



先生の車を横目に見ながら走って教室に向かった。


3分前。


教室の前で息を整えた。

新学期にハーハー言いながら教室に入るのは、さすがにダサいよね。


って事で、ドアに手をかけた時、




――――ガシッ




ん??????



不意に後ろから頭を捕まれた。



「新学期から遅刻か?良い度胸じゃないか」




必死にもがく私の頭を意とも簡単に抑えつけている人。



そう目の前には


「せ……先生!!!」


ニヤニヤする先生に


「遅刻じゃないもん」


って言ったのに、笑って聞いてないし。


< 142 / 444 >

この作品をシェア

pagetop