先生
休み時間、柚子に用事が有って廊下に出た。
あっ、先生……
廊下の端に居るのに、すぐに見つけてしまう。
だって好きな人だもん。
不思議と、どこに居てもどんなに人が多くてもすぐに分かるんだ。
相変わらず、先生の周りには取り巻きの女子達。
こんな事で挫けそうになる私は、まだまだ弱いんだよね。
泣きそう。
仕方ないよ。
みんなの先生なんだから。
だんだんと距離が縮んでいく。
曲がる瞬間、取り巻き子達にバレない様にチラッと先生を見た。
――――あれ?
一瞬だから違うかもしれない……
先生と目が合った気がする。
気のせいかな?
私は確認なんて出来るハズもなく、そのまま柚子の教室に入っていった。