先生
放課後になっても、何だか気が晴れなかった。
柚子はデートだし、篠も習い事が有るんだって。
私はといえば、相変わらずバイト。
バイトまで時間が有ったから、久々にお気に入りの場所に行ってみた。
そう、図書室の屋上。
今日は晴れているからきっと気持ちがいいはずだ。
私はコートを着込むと、カバンを持って図書室に向かった。
外に出ると、突き刺さるような寒さと空一面覆うような真っ青な青空。
気持ちが良いな。
私は走って屋上まで上がった。
―――――バンッ
勢い良くドアを開けると、見慣れた後姿。
なんで……ここに?!
わけが分からず、ただ立ち尽くす私に
その人は振り返りながら私を見た。
そして、
『ドアは静かに開けなさい』
そういうと、ニコリと笑顔を見せてくれたんだ。