先生
「……すみません…でした」


渋々謝る私に、満足気な先生。

カチャッと鍵を開けると、

「乗りなさい」

って…良いのかな……?


私は言われた通り助手席に乗り込むと、携帯を返してくれた。


「ちゃんとお家に連絡しなさい」


何だか先生らしい事を言うと、車を発進させた。

私はお母さんに連絡して、心配しない様にって言った。


「タバコ吸って良い?」


私が頷くと、先生は窓を開けタバコをくわえた。

ちゃんと気を使ってくれているんだね。


片手で火を付けながら煙に顔をしかめる先生は、先生じゃなくて普通の男の人だった。

なるべく私の方に煙が来ない様にしてくれるのが、すごい大人の男の人って感じなの。
< 15 / 444 >

この作品をシェア

pagetop