先生
バイト先の目の前で車を停めた先生は、かなり気になる様子で中を見ていた。
「気になる?」
そう聞く私に、
「かなり」
って子供みたいに目をキラキラさせながら言うんだ。
「今度来てよ!!サービスするからさ」
なんて、悪魔の誘い。
また先生をさゆりさんに会わせたいし、何よりも私が会いたいしね。
「マジ?」
なんて、無邪気に喜ぶんだ。
多分、相当な甘党。
頭の中のメモ帳にしっかりと書き記してから外に出た。
「ありがとうございました」
そう言ってドアを閉めたら、スーっと窓が開いた。
運転席から身を乗り出して話しかけてくる。
「あっ、新庄」
何だろう……
「はい?」
すると、先生の口からは全く予想外な言葉が出てきた。