先生
「今度は、窓ガラスに落書きしないようにな。なかなか消えないんだから」
そう言ってニヤリと笑う先生。
ウソ……
マジ―――――――!!!!!!
言葉が出なかった。
窓ガラスはスーっと閉まり、先生は手を振り、車はゆっくりと発進した。
真っ赤になりながら、車が消えてしまうまで見送った。
いや、正確に言うと動けなかったんだ。
よし、頭を整理しよう。
質問1:私は何を書いた?
スキって書いたよね。
どうせバレないって思ってたんだもんね。
質問2:先生はさっき何て言った?
消すのが大変だったって言ってた。
最近車を綺麗にしたんでしょう。
質問3:私が何を書いたか知ってる?
そりゃ、見たから……
!!!!!!!!!!!
見たんだよね?!
だから……
私は石像の様に固まってしまった。