先生
ゆっくりドアを開けると、ガランとした空間が広がっていた。
なんだ、居なかったんだ……
いつもの様に袋のミルキーが、机の上に置いてあった。
何だか笑っちゃうよ。
私は、そっとミルキーの横にチョコを置いた。
ミルキーと間違えて食べてくれたらいいな…なんて。
椅子に掛かっている先生の白衣。
手にとってみると、先生の匂いがして先生が側に居るみたい。
ギュッと抱きしめた白衣にキュンとしてしまう私は変態かな?
白衣を椅子に戻すと、私は走って図書室に行った。
何だかすっきりした。
あんなにドキドキしてたのにね。
屋上の扉を勢い良く開け、フェンスまでダッシュした。
吐く息が白くなってる。
雪……降るかな?
私はフェンスを掴んだまま、空を見上げた。