先生

多分、誰が置いたか分からないチョコ。

もしかしたら、開けてさえもらえないかもしれない。


でもね、それで充分なんだ。


だって、あのチョコには私の思いがたくさんたくさん入っているから。


だから満足。


私はゴロンと地面に寝っころがった。

冬だから地面が冷たい筈なのに、全然冷たく感じないんだ。

私がドキドキし過ぎて暑くなってるからかな?


空を見ると

相変わらず、分厚い雲。


『雪降って欲しいな』


なんて、思わず呟く。

なんだか、雪が降ったら私の気持ちが通じそうな気がしたから。


あの日の様に……


少しだけ

先生の近くに行ける気がしたから……


だから、ゆっくりと目を瞑りお願いした。



【神様、お願い。雪を降らせて】


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