先生
『おい、新庄……』


先生の声が聞こえる気がした。


好きすぎると幻聴まで聞こえるんだね。


なんだか嬉しくなって目を開けた。




ん?




んん!!!!!!!



ウソだ。



目の前には、先生の顔が有った。

しかも、逆さまに……


「お前、こんな所で寝ると死ぬぞ」


と今度は幻聴ではなく、本人にはっきりと言われた。

恥ずかしくてガバッと上半身を起こした。

「先生、いつから居たの?!」


200%力いっぱいテンパりながら聞いた。

「いつって…新庄がニヤニヤしながら眠ってる辺りからかな」


なんか大分おかしい解釈だけど、テンパってる私にはどう否定して良いか頭が回らなかった。


「いっ…居るなら言ってよね」


なんて、訳の分からない事を言いながら立ち上がる。

そんな事、誰も言わないってね。

とりあえず、心の中で自分に突っ込んでみた。

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