先生
「ほぉ~~ミルキーは食べて無いんだね。ミルキーは……」

意味有り気な先生の顔。


しまった!!!


こんな誘導尋問はズルい。


私が逃げ出そうとすると


「じゃあ、何をしたんだ?新庄」


そう言って、後ろからガッチリ羽交い締め状態に。



あの~~~~


か…かなり近いのですが……


クラクラする私の顔のすぐ側に、先生の顔が。


私は倒れる寸前で、かろうじて先生に支えられてる状態。

しかも、先生からはいつものタバコの匂いがしたんだ。


「………」


黙り込む私の目の前に、見たことのある箱を差し出した。


!!!!!!



「甘いものが食べたくなった」


そう言ってリボンをシュルっとはずし、箱を開けたんだ。

右側のまん丸なチョコを取り出すと、パクリと口に入れた。

私には、その光景がスローモーションに見えたんだ。



先生……



嬉しくて死にそうだった。



私からだって気づいてくれただけで、最高に嬉しかったのに、目の前でチョコを食べてくれたんだよ。
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