先生
「お前、誕生日いつだっけ?」
「えっ?7月27日だけど……」
先生が何を言いたいのか分からなくて、普通に質問に答えてしまう。
いつの間にか隣に来た先生は
「じゃあ、この前のお礼してやるよ」
「ほっ…本当に?!」
多分、声がうわずっていたかもしれない。
「借りを作るの嫌いだからな」
言葉ではそんな意地悪な返事をしてるのに、先生はすごく優しい目をしているんだよ。
きっと先生は自分で気づいてないんだね。
でも、シャクだから教えてあげないんだから。
「本当に?!超嬉しいよ。じゃあ、しっかりと楽しませてよね」
なんて、可愛くない返事しか出来ない私。
だけど、きっとわかってくれる。
それが真咲先生。
先生の腕に抱きつき、先生を見上げた。
先生は笑顔で私に笑いかけたんだ。
これで、1週間は持つかも……
なんて、私ってば単純?!
ちょっぴり勇気が出たバレンタイン。
神様のおかげだね。
――ありがとう――
私、頑張ります。