先生
そうこうしているうちに見た事が有る景色になった。


「着いたぞ」


先生は車を停めると私に言った。


「なんで…知ってるの?」


不思議顔の私に


「担任だからな。生徒の事は何でも知ってるぞ」


ってそうなの?!

何だかうまく言いくるめられている気がするのは気のせいかな?


「ありがとうございました」


私が車から出ようとすると


「新庄」


そう呼び止められた。
私が先生の方を振り向くと


「本当に何か有ったら話せよ」


そう言って私の頭を撫でた。


「ありがとう、先生」


私は速まる鼓動を隠しつつ、笑顔で車を降りた。



ヤバいよ。



なにこの気持ち……



私は先生に手を振ると、急いで家に入った。


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