先生

「イタズラはしてませ~ん」


嘘じゃないもん。


「それより、何してたんだ?早く帰りなさい」


って急に先生モード。


ヒドいなぁ


「はいはい、帰りますよ~だ!!」


でも、先生だって寝てたクセに!!


帰ろうとする私に、


「送るよ」


そう当たり前の様に言う先生。



もし私が先生のクラスじゃなくなっても、そう言ってくれるかな?



半ば強引に鍵を渡してきた先生。


嬉しい反面、複雑な気持ち。


私は鍵を見つめながら車まで歩いていた。
辺りは暗くなり、生徒も帰ってしまっていた。

どんだけ寝ていたんだよって感じだね。


いつもの先生の車の助手席に乗り込む。

毎回、これが最後かもしれないって思いながら乗りこんできた。

今回も決して例外じゃない。



『又、乗せてくれますか?』



絶対に聞けない一言を、心の中で呟いた。

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