先生
授業中に柚子から手紙が回ってきた。
【放課後、ヒマ?お茶しない?】
破かれたノートの切れ端から、柚子の優しさを感じた。
私はメモ帳に
【行く行く!!!】
そう書いて、ハート型に折り柚子に回した。
窓から見えるグラウンドには、違うクラスの体育の授業が行われていた。
その中に、真咲先生の姿が有った。
やっぱり、どこに居てもすぐに見つける事が出来る。
授業中なのに、ついつい見入ってしまう。
今日の授業は『フォークダンス』
見本を見せる為、女の子と手を繋ぐ先生に
嫉妬……
でも、私にはそんな資格は無い。
先生を見ていると苦しくなるクセに、目が離せないんだ。
それだけ私の中で、先生の存在が大きくなって居たんだね。
今になって気付くなんて遅すぎだよね。