先生
「本当にそう思ってるの?」
身を乗り出して迫ってくる柚子の迫力に、完全に負けてしまってる私。
「う……うん」
何だか曖昧な返事になってしまう。
「私はそう思わないな。
純那の話を聞く限り、真咲先生は純那を好きだと思う。
そうじゃなくても、少なくとも気にはなって居るはずだよ」
何でそう思うか理解出来ないけど、黙ったまま柚子の話を聞いていた。
「ただ、素直に慣れない理由が1つ…」
「1つ…?」
つい、声に出して聞いてしまっていた。
柚子は篠の方を向くと、2人いっぺんに同じ答えを言ったんだ。
『先生だから』
びっくりするほど、2人の声がハモっていた。
打ち合わせせずに、ここまでハモるんだなんて感心している私に
「純那、何か違う事考えてるでしょ?」
ってエスパー並みの柚子。
こういう時、柚子は人一倍感覚が鋭くなるんだから。
私は仕切り直して聞いてみた。