先生
「ごめんって~~」
後ろから純那が追いかけてきて、私の腕を組んでくる。
始業のチャイムがなり、私達は急いで教室に戻った。
次は、真咲先生の数学の授業。
私は、斜め後ろから純那の姿を見ていた。
悔しいけど、純那にいつもの笑顔を戻させる事が出来るのは【真咲先生】しか居ないんだ。
窓際に座る純那は、たまに窓の方を向くんだ。
切ない顔をしながら……
何かを必死に我慢している感じ。
たぶん先生を見ているのが辛いんだね。
すぐに真面目な顔に戻ると、黒板の方を向いた。
一瞬だけど、真咲先生と純那の視線が絡み合った気がした。
先生だって分かってるはず
なのに……
私は何故か沸々と怒りが込み上げてきた。
純那ばかりが苦しんでいる気がした。
先生は普通に授業をして、純那だけ泣いている。
それって、おかしくない?
自然と、黒板に向かう先生の後ろ姿を睨みつけていた。