先生
結局、授業中ずっとその事ばかりを考えていた。
終業のベルが鳴ると、私は一目散に廊下に出て真咲先生に話しかけた。
ここ数ヶ月の純那を見ていて、もう我慢ができなかった私は、ある作戦に出ることにした。
「先生、質問が有るんですけど」
「ん?珍しいな、滝沢。どこだ?」
そう言う先生に、
「長くなりそうなので、他の場所でお願いします」
そう言った。
私が殺気立っていたからか、先生は何かを感じ取ったみたいで
「分かった。後で、準備室に来なさい」
そう言ってから、クルリと方向を変えて去って行った。
教室に戻った私に純那が話しかけてくる。
純那にはバレない様に、
『ダッシュでトイレに行って来た』
って言っといた。
『今日、用事が有るから』
と先に篠に純那を連れて帰らせ、真咲先生が待つ準備室に向かった。
私は準備室の前で気合いを入れると、ドアを2回ノックした。