先生
――――コンコン


『そうぞ』


先生の声が聞こえてから中に入った。
ドアを閉めると、真咲先生を見る。

相変わらずマイペースな先生は、カタカタとパソコンを打っていた。

しかし、私の方を向くなりパソコンを一時中断し、ソファーに座るように促した。

多分、私がかなりブラックなオーラを纏ってたんだろうな。


私は素直に座ると

『ちょっと待っててな~~』

そう言って、隅っこでお茶を煎れてくれた。


何だか、先生のそう言う姿を見るのが初めてで不思議な感じ。


「はい、どうぞ」

そう言って出されたマグカップがウサギ柄で何だかウケた。


ウサギって……


「ありがとうございます」

必死に笑いをこらえながら、お茶をすすった。

先生は私の向かい側に座り、話し始める。

「で、滝沢。何か有ったのか?」

私はゆっくりと自然を先生の方に移した。

たぶん、先生は分かってるんだよね。


私はマグカップを机に置くと、本題を話し始めた。
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