先生
母の愛
結局、あれからバイト三昧な日々を送っていた。

良いのか悪いのか、担任じゃないから毎日顔を合わせる事がない。

だから、少しづつ先生を忘れようと努力してみた。


でも、あんまり効果無いかな。


やっぱり、さゆりさんがタバコを吸うと先生を思い出すし、ミルキーを見ると甘い記憶が蘇るんだ。


情けないな。


でもね、もうすぐ夏休みなんだ。
柚子や篠と遊ぶ約束もしたしね。


ってか、柚子ったらどうしても誕生日は一緒に遊ぼうって言うの。

どうせお母さんも仕事だし、バイト休みにしてもらったんだ。


誕生日……


先生と過ごす約束をしたな。
もう、覚えてなんかないと思うけどね。


ダメだっ!!!


忘れようとしてるのにな。


柚子達とは、海に行く約束をしたの。

それにしても、珍しいんだよ。

柚子がそう言う誘い方する事なんて、今まで無かったのにな。

きっと、私の事を気にかけてくれているんだね。


タンスの一番下の段から、去年買った水着を引っ張り出した。


イチゴ柄のセパレート水着。

これ、一目惚れだったんだ。


水着を出して確認してから、もう一度同じ場所にしまい込んだ。

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