先生

「新庄、面白すぎ」


そう言って笑ってる先生。


まぼろし?


幻覚?


今見えてる光景が信じられなくて、ただ目を見開いて立っていた。

先生が私に近づいて来る。


目の前まで来た先生は、


「約束だろ?」


そう笑顔で言うと、クルリと方向を変えて車に戻って行った。


私は先生の後ろ姿に向かって


「ダメなの…柚子との…約束が…」


そう言った。

タイミング悪いよ先生。


急に…急に来るなんて……


先生は振り返って私を見ると、

「知ってる。とりあえず車に乗りなさい」

そう言って車に乗り込んだ。


知ってる??


どういう事??


頭の中がハテナで埋め尽くされつつ、玄関の鍵を閉めて先生の車に乗り込んだ。

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