先生
「今、迷惑なんじゃないかとか考えてなかったか?」


せ…先生!!!


読心術まで使えるとは……


「なんで…分かったの?!」


目を真ん丸く見開きながら先生を見た。


「新庄、やっぱ面白いな」


そう言いながらクシャっと頭を撫でた。


一気に鼓動が速くなる。


「……先生は…?まだ、先生の気持ち…聞いてない……」


声を絞り出して聞いた一言。

先生の手が私の頬に降りてくる。

私は、先生の瞳を見つめたまま逸らす事が出来なかった。


「……内緒」


そう言った先生の事をバシバシ叩きながら


「ひどーーーーーい!!!」


って叫んでいた。


「痛いって!!それより、今日は1日空けたんだろ?」


いとも簡単に先生に手を掴まれていた私。


「う…うん、一応…」


「じゃあ、遊ぶぞ~~」


そう言って、車を発進させようとした。


「あっ、先生待って!!」


アクセルを踏もうとする先生を止めた。
慌ててブレーキを踏んだせいか、車がガクッと止まった。


「おまっ、急にとめると危ないだろうが」


そう言った先生の言葉を無視して


「柚子に電話していい?」


そんな必死な私に、先生は優しく首を縦に振ったんだ。
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