先生
結局、視聴覚室まで連れ戻された私。

教室は生徒がまだ残ったりして落ち着かないから、視聴覚室での居残り授業。

ってか、視聴覚室ってほとんど使って無いから人が来ないんだよね。


逃げる隙が無いじゃん!!!


仕方なく机に教科書を出す私。
机を挟んで向かい側に真咲先生が座った。


「どこから寝てた?」


どこからって……


「分からないけど…ほとんど」


先生は子供みたいに頭を抱えながら


「俺の授業ってそんなにつまらない?」


なんて聞くもんだから、先生の肩を叩きながら


「いやそんな、そうじゃなくて…寝不足で…」


って言い訳に聞こえるかな?

でも、本当なんだもん。

昨日は、色々考えているうちに眠れなくなっちゃって。


先生のせいなんだからね。


「真咲先生、ごめんなさい」


その瞬間、顔を上げると


「じゃあテストで8割取って。取れなかったら罰ね」


なんて無邪気に笑いながら言う先生。




鬼。




きっと真咲先生は鬼なんだ。


私は頭が働かないまま先生に聞いた。


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