先生

体が沈んで行く感覚が、終わりなんだって感じた。


―――ガシッ



ん??



………あれっ?!


息が出来る。


何で?!


「おい、大丈夫か?」


声の方向を見たら、10㎝の所に先生の顔が…


って事は抱きしめられてるって事?!


「とりあえず戻るから、捕まってろ」


そう言うと、私を抱きしめたまま岸の方に泳ぎ始めた。

恥ずかしいのと怖いので、頭がおかしくなりそうだった。


ヤバいよ。


もっと好きになりそう……



先生の首に手を回したまま、ギュッとしがみついていた。

私を抱きながら泳いでいるのに、みるみるうちに陸に近付いてるんだ。


気が付いたら、足が着く所まで戻ってきていた。


先生はスーパーマンだね。


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