先生
私の横に寝っころがった先生は、

「それにしても、溺れる時はせめて暴れろよ。分からないだろ」

ってクスクス笑ってるの。


先生曰わく、

『あまりにもきれいに沈んで行ったから、泳げるようになったのかと思った』

だって。


「体が動かなかったの!!」


怖くて体が固まっちゃったんだから、仕方ないでしょ。


ふてくされる私に、

「面白かったから良いけど」

なんて……


もうっ!!!

こっちは死ぬかと思ったんだからね!!


先生はゴロンと起きあがると、

「飲み物買いに行ってくるわ」

って行っちゃったの。


後ろ姿も恰好良いな。

先生が歩いていると、周りの女の子が先生を見るんだ。


どこに居てもモテるんだ。


私が先生に見とれて居ると

「ねぇ、1人?」

って知らないお兄さんが2人、私の横にいた。

ホスト風ないでたちの2人は、どっちがどっちだか分からないくらい同じ様な風貌をしていた。


私は周りをキョロキョロしていると

「お姉さんの事だよ。面白いね~」


私?!


キョトンとしながら、私は人差し指で自分を指した。


この人達知らないし……

あっ、もしかしてどこかで会ったのかな?

< 214 / 444 >

この作品をシェア

pagetop