先生
俯く私に
「ごめんな。怒った?」
って言いながら顔を覗き込んで来る。
「……怒った」
なんて、真っ赤な顔で言っても全然説得力なんて無いね。
「では姫のご機嫌をお直し致しましょう」
そう言いながらバックから取りだしたのは、細長い小箱だった。
「はい、誕生日プレゼント」
そう言って私に差し出した。
「えっ…本当…に?」
先生と一緒に過ごせるだけでも幸せなのに、プレゼントまで貰えるなんて。
涙を流す私に
「バカ、泣くなって。俺が泣かせたって思われるだろうが」
そう言いながら、私の涙を拭ってくれた。
「しん…ちゃんが……ヒック…泣かせ…たんじゃん…ヒック」
全然言葉にならないよ。
「はいはい。分かったから」
完全に手のひらで転がされてるね。
私は、黄色い包み紙を開き箱を開けた。