先生

「…運命?」



運命



そんなもの有り得ないって思ってたけど、あながち有り得るんじゃないかなって。

私はストラップを携帯に付けてみた。


やっぱり笑顔になれる魔法がかかって居たみたいだよ。


「ありがとう、しんちゃん」


なんて、素直に言える。


「良かった、気に入ってくれて」


携帯ストラップ越しに見える先生の笑顔に、胸がキュンとした。


「よし、ご飯食べに行くか」


そう言って私達は立ち上がった。

車に乗り込んでからも、携帯ストラップを見つめていた。


好きな人にお誕生日を祝って貰えて、しかもこんな可愛いプレゼントまでもらったんだよ。


『もう、どうなっても良いかも……』


なんて思っちゃうのは大袈裟?!


無言の車内に流れる、バラードのラブソングが心地良く耳に響いてくる。

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