先生
結局、帰り道の車の中では、ずっと手を繋いでいてくれた。


片手で運転する先生に、


さらに惚れてしまった。


あまりにも先生の横顔を見ているもんだから


「前見とけ」


ってさ。


絶対に嫌です!!


「当分見れなくなるんだから良いじゃん」


そう言う私に、


「誰が、当分逢えなくなるって言った?」


ギュッと手を握り締めた先生。


あっそっか…
またデートとか出来るんだよね?!


まだ付き合ってるって実感がまだ無くて、何だか不思議な感じ。


そんな事を話している間に、家の前まで到着してしまった。




早い…



1日中一緒に居たのに、やっぱりもっと一緒に居たいって思う。


でも、ワガママばっかり言ったら駄目だよね?

私は握り締めている手を離したくなくて、さらに強く握った。



―――――ギュッ



すると、先生は


「そんな事すると、帰したくなくなるだろうが」


そう言って私を見つめた。

そんな先生を見上げながら、つい



『帰りたくない』



そう言ってしまった。

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