先生

先生は私の頬を触ると、少し何かを考えて居るように動きが止まった。


「今日は、帰りなさい。
お母さんが待ってるだろう」


いきなり先生みたいな口調。

「……はい」

シュンとする私に、

「純那は、明日もバイト?」

「明日もバイトだよ~~」

と、泣きそうになった。


すると

「何時に終わる?」

って…


もしかして、会えるのかな?


胸が高鳴る。


「明日は早番だから、5時位にはあがれるよ」

少しうわずった声で答えた。


「じゃあ、明日迎えにいくよ」


先生は私を抱きしめながら


「それまで、ガマンしてて」


そう耳元で呟いた。


きっと先生の得意技は『キュンとさせる事』だね。

私は、今日何回技をかけられたの?


正解は、数えられない位沢山。


だって、朝から晩までずっと心臓がバクバクしっぱなし。


そして今も……


誕生日にくれた最高のプレゼント。



それは


【真咲先生】


なんだよ。

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