先生

15分位車内で駄々をこねた後、やっと車から降りる決心がついた。


情けない位、ゾッコンラブな私。


明日また会えるのに、永遠の別れみたいな感じになるの。


「良い子にしとけよ」


そう言いながら別れ際にくれたミルキー。

「うん」

ギュッとミルキーを握りしめた私は、車の周りを歩き玄関へと向かった。

玄関の前でバイバイと手を振ると、先生は笑いながら窓を開けてタバコに火を付けた。


今日1日、ガマンしてくれてたんだ。


そんな些細な事が、嬉しくてたまらない。

胸元では、お母さんがくれたネックレスが月の光を反射しキラキラと光っていた。

「早く入りなさい」

そう言うと、もう一度手を振った。

私は笑顔で手を左右に振り、中に入った。

中に入ったのを確認してから、車が走り去る音が聞こえた。


「ただいま!!」

私は急いで2階に上がった。

後ろでは、お母さんの声が聞こえた。


カバンを放り投げて窓を開けた。


先生の車は、もうだいぶ遠くに行ってしまっていた。


はぁぁぁ~~~


大きくため息をついていたら、カバンの中で携帯電話が鳴った。

< 243 / 444 >

この作品をシェア

pagetop