先生
先生ん家

次の日は、朝からバイトに行った。

満面の笑みの私に、早速さゆりさんが気づいたみたい。


「純ちゃん、何か良い事有ったでしょ~」


って、さすがさゆりさん。


鋭いです!!


私は仕込みをしながら、先生と付き合う事になった事を話した。

さゆりさんは目をウルウルさせながら


「良かったね!!!」


って私を抱きしめてくれた。


店長はそんな私達を見ながら、

『はい、そこいちゃつかない』

って笑っていた。


私の周りの人達は、本当に良い人ばかりですごく嬉しいよ。


「さゆりさんのおかげです。
諦めかけた私を、さゆりさんが励ましてくれたから……」


そう言った私に

「何言ってるのよ!!純ちゃんが頑張ったからよ」

さゆりさんは私の手を握りしめながら

「絶対に離すんじゃないよ」

そう言って、私の口にわらび餅をポイッとほうり込んだ。

冷蔵庫から取り出したばかりのわらび餅は、ひんやりと冷たくて甘くかったよ。


「さゆりさん、大好き」


私は口をもごもごさせ、涙目になりながら言ったんだ。

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