先生

すると、すぐにさゆりさんが近づいてきて

「もしかして、噂の先生?」

って。

コクリと頷いたものの、恥ずかしくて落ち着かない。


「ちょっと!!マジイケメンじゃん」


はしゃぐさゆりさんをよそに、私はあんみつを乗せるトレーを用意していた。


「はい、お願いね」


厨房から、先生が注文したあんみつが出てくる。
最後の飾り付けは、私達の仕事。

って言っても、チェリーを乗せるだけなんだけどね。

私は器から2つチェリーを取り出した。
本当は1つなんだけどこっそりオマケ。


すると、さゆりさんが

「これも、入れちゃいなさい」

そう言って、私にアイスを差し出した。


驚いた顔をしていると、

「大丈夫よ、店長に言ってあるから」

私が店長を見ると、ニコッと笑いウインクしてきた。

「さゆりさん…ありがとうございます!」

私はまん丸くアイスをすくい、あんみつの端っこに乗せた。


いつもより豪勢なあんみつを持って、先生の席に急いだ。

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