先生
お母さんは、先生に色々話したんだ。
私の昔話
お父さんとの馴れ初め話
私に苦労させた事
こんな話って、あまりしないよね?
多分お母さんは、先生を信頼して話していたんだと思う。
先生も、お母さんの話を笑顔で聞いていた。
お母さんは
「真咲先生は、亡くなったお父さんにとても似ている」
って話していた。
もしかしたら、お母さんは先生にお父さんの面影を重ねていたのかもしれない。
「良かったら、泊まっていったら?」
そんなお誘いをするお母さん。
先生は恐縮しながら
「いえ、今日は帰ります」
そう言って、立ち上がろうとする先生を気がついたら掴んでいた私。
「とっ…泊まっていったら?」
そんな私をお母さんは
「純那、先生困るでしょ」
って怒られた。
渋々手を離す私に、少し笑いながら
「じゃあ、お言葉に甘えても良いですか?」
そう、お母さんに聞いた先生。
私は、お母さんの返事を聞く前にはしゃいでいたんだ。