先生
お風呂から出た頃は、何だか軽くのぼせ気味になっていた。
ああ、何とでも言って下さい。
どうせ、アホですからっ!!
少し赤い顔で居間に行くと、先生はお母さんにビールを注がれていた。
「あら純那、大丈夫?」
赤い顔の私に、心配そうに聞くお母さん。
今は、ほっといて欲しかったです……
「じゃあ先生、もしなんでしたら先に休んでて下さいね。純那、あんまり引き止めないのよ」
お母さんは私に釘を刺すと、鼻歌を歌いながらお風呂場に向かって行った。
全く……
「先生、飲み過ぎないでよ」
私は先生の向かい側に座った。
「良いお母さんだな」
そう言う先生。
何だか、お母さんにまで嫉妬しちゃう。
「お母さんの方が良くなった?」
そう拗ねる私の手を握りしめ
「もしかして、ヤキモチ?」
って少し嬉しそうに聞くの。
ヤキモチだけどさぁ……
そう聞かれると、シャクだから言わないもん。
「別に」
素っ気ない素振りをしながらも、多分先生にはバレバレなんだろうね。
「俺は、純那を好きだから純那の事を全て知りたいんだ。だから、純那が大切なお母さんと仲良くなれて嬉しいんだよ」
先生は穏やかな表情で私に話したの。