先生
今、俺から純那を取ったらどうなるだろう?
多分、生きていけない。
大袈裟じゃなく、本当に。
それくらい、純那を愛しているんだ。
情けないくらい。
愛おしい。
この子だけは……
そう思うからこそ、不安がよぎる。
そう、妙子の事。
そんな俺を見透かしてか、心配そうな顔で何が有ったか聞いてくる純那。
妙子との事を話すべきか考えた。
答えは……
「ノー」
純那を失ってしまいそうで
すごく怖かった。
この時、ちゃんと向き合っていればあんな事にはならなかったのに……
ただ失う事が怖かったばかりに、現実から逃げてしまった。
俺は純那に
「何が有っても、俺を信じてほしい」
そんな台詞しか言えなかったんだ。