先生
妙子は、俺を恨んでいるだろうか?
俺はどうなっても良い。
学校を辞めさせられようと
教育委員会に吊し上げられようと構わない。
こいつだけは……
純那だけは、俺が守らなければ。
そんな思いからか、抱きしめる腕に力がこもってしまう。
純那の為にも、2人の関係は絶対に知られてはならないのだ。
押し潰されそうな不安に、頭を抱えたくなる衝動にかられた。
俺の手からすり抜けた純那が、笑顔で俺を見ていた。
少し心が緩む。
天使の笑顔だな。
俺はフッと笑いながら、純那の『プリント作業』の誘いに応じた。
完全に負けてるみたいだな。
先の事に不安を抱きながら、その不安をかき消すように作業に没頭した。