先生
―――バシッ


「なんて顔してんのよ」


「イッタァ…」

私は後頭部を抱えながら、横を見るとニヤニヤしながら篠と柚子が立っていた。


「何物思いにふけってんのよ、純那らしくないじゃんか」

「ああ、ちょっとね…」

私は無理矢理笑顔を作ると、2人は私のそばに有る椅子を私の周りに置き座った。


―――バサッ


机の上に置かれた小冊子には、

【修学旅行のしおり】

と書かれていた。


「何これ?」


はぁぁぁぁ~~~


と篠はため息をつくと、

「その反応じゃ、中身読んでないんでしょ?」

ん?ああ、それか。

読んだわよ。


少しだけ……


2ページ目の付き添いの先生の欄で、文字の如く一喜一憂したのだ。

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