先生
「ちょっ…何してるの?!」
先生は、キョロキョロと辺りを見回すとサッと玄関に入り鍵を閉めた。
「純那、大丈夫なの?」
始め何の事を言われているのか分からずに、キョトンとしていたら
「仮病か…」
先生は、ふぅっと息を吐いた。
「…仮病じゃないもん!!それより、何で残って居るって知ってるの?!」
「ん?ああ、途中で滝沢に会った時に聞いた。純那が元気ないって」
ありゃ……バレてたか。
柚子には、嘘つけないな。
「そっか」
先生を見つめる私に
「何か悩み事か?」
って頭を撫でてくる先生。
やっぱり、好き。
無言で居る私を抱き寄せると
「寂しい思いさせてごめんな。今度、ゆっくり2人だけで修学旅行にいこうな」
先生の胸の中で、涙がこぼれ落ちた。
先生は何で私の気持ちが分かるんだろう?
私はギュッと先生を抱きしめながら、温かい胸の中で頷いた。