先生
私は少し無言になってしまう。


本当は話したい。


話して楽になりたい。


でも、それは同時に真咲先生との関係を認める事でも有るのだ。

そして話した事がバレた時が、私達の破局の時。


そんな危険な賭けをしてしまって良いものだろうか?



答えは……



【一色先生、一色先生。至急職員室までお越し下さい】


アナウンスが校内に響き渡る。


「もうっ!!ちょっと待っててね」


そう言うや否や、先生はヒラリと白衣を翻して保健室から出て行ってしまった。


「えっ?!いや……」


私の意見は無視ですか。


待っててって……


そう言われた手前、なんだか無視して帰るのも気が引けた。

仕方なく、私は保健室に残る事にした。

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