先生
すると、その下には裏返された写真が入っていた。
写真も手に取り表を見た。
やっぱり。
今朝入っていた写真と、同じ様な写真達が沢山焼き増しされていた。
どうして?
あんなに優しそうな先生がこんな事をするなんて、どうしても信じられなかったのだ。
目の前が涙でかすみ、写真にモザイクがかかっていく。
手からは血の気が引き冷たくなっていた。
めまいがする。
立っている事がやっとだった。
精神的ダメージは計り知れなく、震える体は私を谷底へといざなって行く。
絶望感が体中を支配していた。
その時
「人の机を物色するなんて、良い趣味を持っているじゃない」
背後から女性の声が聞こえた。
ドアが開く音なんて聞こえない位、ショックで立ち尽くしていたらしい。
振り返ると、一色先生が見た事が無い顔で私を見ていた。