先生

小走りで病室に戻り、仕切っているカーテンを開けた。

すると……



!!!!!



真咲先生?!

そう、真咲先生が立っていたんだ。

何だか良く分からない状況に、危うくペットボトルを落としてしまう所だった。


「ちょ……なんで居るの?」


辛うじて落とさなかったペットボトルを抱きしめ、私は久しぶりに対面した真咲先生を見ていた。

全くの無防備だったため、完全に動揺している私。


「滝沢に聞いて……びっくりして、授業終わってすぐに来たんだ」


柚子ったら。
お節介なんだから。

「そう」

私は短く返事をすると、先生に座る様に勧め私は窓に寄りかかった。

ものすごく久々に先生の顔を見た。

「容態は?」

「過労だって。もう少ししたら起きるって、看護婦さんが言ってた」

「そうか、良かった…」

先生はふぅ~っと息を吐くと、改めて私の顔を見た。

< 357 / 444 >

この作品をシェア

pagetop