先生

「あげる」

先生ったら、子供みたいに言うんだもん。

そんな先生が、何だか可愛くて……

そんな些細な会話が嬉しくて……


私はミルキーを口に入れ、笑いながら泣いた。

「甘い」

本当はキュンとさせる様な言葉を言いたかったのに、口から出てきたのは可愛くもなんともない言葉。


私のバカ。


先生はタバコの火を消しながら

「本当?」

って、聞いてきた。

「本当だよ」

ちゃんと言葉になっていたか分からない。
ただ先生と普通に会話が出来て、すごく嬉しかったんだ。


「じゃあ、確かめる」


えっ?!


私が言葉を発する前に、先生の唇は私の唇を塞いでいた。

あまりにもいきなりで、目を開けたままものすごく近くに有る先生の顔を見つめていた。

思考回路はストップし、何も考えられないままフリーズ状態。


でも、体はものすごく正直だった。

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