先生
久々に触れた先生の唇に、体の芯からゾクッと熱くなり、自分の体じゃないみたいに自由がきかなくなっていた。
力が入らないよ……
荒々しく唇を合わせてきたのに、優しさが先生から伝わってくるんだ。
タバコの匂いとミルキーの甘さが混ざり合って、不思議な共演をしていた。
ゆっくりと離される唇。
ジッと私を見た先生は
「本当だ」
って言って、笑顔になったんだ。
茫然としている私をグッと抱き寄せ、先生は話し始めた。
「純那、ちゃんと妙子と話しをつけた。
俺は、純那じゃないとダメなんだ……」
先生は私の肩を持つと少し離し、私の瞳を見つめてきた。
「俺は、一生純那と居たいんだ。純那に何か有ったら、俺が体を張ってでも守りたい。
だから…結婚を前提に付き合って欲しい」
け…結婚……?
実感が湧かないよ。
でも先生の言葉が、素直に嬉しかった。